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お客様の声 > とん亭

和食の基本であるうまい米が
カツを引き立ててくれるんです

 この夏、東京・中目黒の人気トンカツ店「とん亭」が閉店しました。創業者で社長の勝本輝武さんがご高齢のため、惜しまれながら看板を下ろされたのです。
とん亭で永井農場のコシヒカリを使っていただくようになったのは1993年のこと。長年にわたる感謝をお伝えしたくて、そして、最後にもう一度絶品のトンカツをいただきたくて、弊社の永井社長が閉店を目前に控えたお店にお邪魔しました。

看板メニューの「黒豚ロースかつ定食」は塩とゴマだれでいただく。都内で大分県耶馬渓産の耶馬渓六日黒豚を仕入れているのは、とん亭だけ

1972年の創業以来、一貫したおいしさへのこだわりや親しみあふれる店のたたずまいが愛され、テレビや雑誌などでも紹介されて著名人のファンも多かったとん亭。
おいしさの基本となっているのは、食材を選ぶ勝本さんの厳しい目。
「とにかく頑固な職人です」と、勝本さんの長女、吉田弘子さん。豚肉はもちろん、米、パン粉、味噌汁の味噌やだし、ドレッシング、塩にいたるあらゆる食材を勝本さんが厳選。メニュー表には食材の紹介ページもあって、「お米」の項には「長野県東部町(取引開始当初の町名)の永井農場産の超低農薬のコシヒカリを農場から直接仕入れております。丁寧に大切に育てられたお米は、出荷直前に精米して発送されてきます」と書かれています。ごはんのおかわりは無料というお店もありますが、とん亭は有料です。「うちは安いお米は使っておりませんので。だからおいしいでしょう?と言うと、お客様はわかってくださいますよ」とスタッフのみなさん。
看板メニューである耶馬渓六日黒豚のロースカツ定食は、カラッと揚がったお肉の甘みが抜群、箸が進みます。後味が軽く、満腹になっても胃にもたれないので、またあのカツが食べたい...と思ってしまうのです。

写真右:ゴマの風味が効いたトンカツのたれも創業からレシピを変えていない 写真左:塩とゴマ油でいただく「塩カツ丼」。あっさりしているのでペロッといける

とん亭と永井農場のお付き合いは、24年前の米不足がきっかけでした。
私たちが米の直販を開始した1992年の翌年は、記録的な冷夏が原因で「平成の米騒動」と呼ばれる状況に陥りました。多くの消費者が買い溜めに走って小売店から米が消え、卸売業者も米の確保に奔走していた頃、永井農場の縁戚がとん亭に勤務していたご縁で取引が始まったのです。
「それまで米の販売は個人のお客様だけで、業務用は初めて。勝本社長にいろいろ教えていただいた。価格よりも品質を重視し、生産者のことを尊重してくださる方とお付き合いできたことがありがたかった」と永井は振り返ります。
長年にわたって農場のお米をたくさんの方においしく提供してくださったこと、心から感謝申し上げます。おいしい和食でたくさんの人を幸せにしてくださってありがとうございました。とん亭のトンカツはいつもおいしかったです。ごちそうさまでした。

「あのとき助けてもらって感謝している、と父はずっと言っていますが、取引が続いた大前提はもちろんお米がおいしいからですよね」と吉田さん

中目黒の街並みが変化するなか、「ずっと変わらないこの店構えが落ち着く」と常連客に愛された店舗前でスタッフのみなさんと。右から、吉田弘子さん、永井、上野武明さん、石垣せい子さん、亀野智子さん

「お米がおいしいと言ってくださるお客さんは多いですよ。言われると、私たちもうれしいです」と店長の上野武明さん

ガス釜で、1回に一升5合ずつ炊く。少なめに炊き、ほどよく蒸らすのがおいしさの秘訣

取引開始当初の勝本社長(右)、隣は永井農場会長

Special message

おいしさを追求しあう関係性

ご自宅で療養中にもかかわらず、社長の勝本輝武さんがコメントを寄せてくださいました。

ひどい米不足だった年、取引先の米店に「タイ米を混ぜたものしかない」と言われ困り果てていたとき、永井さんにお米を届けていただけることになりました。それ以来、お米のおいしさも店の売り物にしてきました。本当に感謝しています。
お米がおいしかったら料理が引き立ち、カツもおいしいと感じます。お米は和食にとって基本中の基本です。長野の、標高が高く冷涼な気候で育てられているから、こんなにおいしく育つんでしょうね。
単に米を取引するだけでなく、いろいろ気を使ってもらいましたし、いろいろ研究しながら意見を交換して勉強させてもらいました。お互いに、どうしたらおいしくなるかを考え、上をめざしているのがわかりました。生産者と料理人、それぞれが真摯に考えて努力するから、おいしいものができると思います。両者の相乗効果ですね。お父さん(会長)と若い社長の熱意のおかげをもって我々も繁盛させてもらったと感謝しています。
長い付き合いになりますが、振り返ってみると一番大事なのは人柄の良さですよね。いいものをつくろうという熱意がすごいですよ。お父さんもすごかったけど、若い社長の取り組み方には常々感心していました。地元の人や料理人と幅広く行き合ったり勉強会を開いたり、新しい考え方と努力、情熱、能力がすばらしい。お父さんと力をあわせて、困っている農家の米づくりを助けている。こういう人がいれば、日本の農業や田んぼは継続できるだろうと思います。何度もいいますが、永井さんには感謝しています。