自立した農業をめざして農場の基盤を共につくりあげるスタッフを募集します。
将来的には農場の中核を担って欲しい。発展途上の組織には農業の既成概念にとらわれないパートナーが必要です。
永井 進
代表取締役 38歳(昭和46年1月2日生まれ)
1971年長野県小県郡東部町(現東御市)に専業農家の長男として生まれる。地元中学校卒業後、北海道酪農学園大附属高校酪農経営科、北海道文理科短大酪農科で学び、卒業と同時に就農。92年首都圏で米の直販開始。当初の顧客は知人25人だったが、雑誌『クロワッサン』掲載を契機に全国からの注文が殺到。翌年は大冷害による米騒動が勃発するも値上げなしで契約数量を販売、顧客からの礼状に感激する。96年農業生産法人有限会社永井農場を設立し専務取締役。荒廃農地を再利用した地域循環型ワインプロジェクト、栽培から販売までを行う地元小学生との米作り等々、既存の枠組みにとらわれない農業に邁進中。
僕は農業を変えたい
産業としての自立をめざします
農業のあり方を根本的に変えたいと真剣に考えています。
農業はこれまで家族が基本の形態でした。内輪でまとまりながら生産だけにかかわり、それ以外の大切なことは他人にあずけてきた面があります。でも、そこには限界がありました。
家族という縛りにとらわれず意欲ある新規参入者と結びつき、新しい農業のかたちをつくりながら地域の農業全体を活性化したいと考え、13年前に農場を法人化しました。
残念ながら、農業はまだ産業として自立できていません。
自分たちの生産物に対して「この金額で買って欲しい」と言えず、一方的に「いくらになった」と報告を受ける系統(JA)出荷が主流であり、国をはじめとする各種支援や補助金の恩恵にあずかるという特殊性がこれまでの農業にはありました。もちろん支援はありがたいものですが、"補助金ありき"で成り立つ経営は健全ではないはず。自分たちの力で自立できる農業の会社をつくりたいのです。
作ることだけが農業ではありません
米や野菜をつくり牛の世話をすることだけが農業ではありません。
飲食業にたとえると、農業を志す人のほとんどは料理長になろうとする。でも、サービスやマネジメントも、そのレストランには不可欠。つまり、田や畑で働くことだけが農業ではないということです("農業=料理長"という認識も誤解で、農業者はレストランのオーナーでなければいけないと思いますが)。
そして、いま永井農場が求めているのは"料理人"だけではありません。
現場で生産したおいしいものを、お客様にきちんと届けるまでが農業です。
農場のポリシーや農産物の魅力をお客様に伝え届けることなど、生産以外の仕事にも喜びを見出せる人。農業という産業を変えるために何をすべきか、一緒に考え、地道に実行できる人材を必要としています。
"拡大"ではなく"深化"したい
大きな会社をつくりたいと考えたことはありません。
国がよく使う"サラリーマン並み"という言い方が嫌いです。
もちろんめちゃくちゃ儲かる仕事だとは思っていませんし、それを望んではいませんが、自立した経営ができれば仕事に見合ったものは手に入れられる産業だと思っています。
"拡大"ではなく"深掘り"を進めます。
生産物は大事な原石のようなもの。これまでは原石を掘るだけでしたが、磨いてお客様にお届けし、喜んでいただくことをもっと深めていきたい。
この夏、軽井沢にオープンしたジェラートショップもその一環です。牛乳を出荷するだけでなく、お客様に直に届けたいと思っていたことが実現します。直営ショップという新たな挑戦も、事業の多角化ではなく"深掘り"です。
"よろこばれる"にどう向き合うか
今後、農場の中心に掲げたいのは"よろこばれる"という言葉です。
何のために永井農場が存在するのか。大きくとらえると、いろいろな人によろこんでもらうためだと思います。
生産したものを食べてくださるお客様。連携して米づくりをする地域の人たち。スタッフや、その家族......。たくさんの人たちに、さまざまに"よろこばれる"ことをポリシーとして大事に掲げていきたい。農業法人になって13年、ようやくそういうものが見え始めてきました。
スタッフそれぞれにいろいろなとらえ方があっていいけれど、一人ひとりが「何をどのようによろこんでいただけるか」を考えながら一所懸命仕事に取り組めるよう、成長したいのです。
発展途上の組織だからこそ
人をいかに育てるか、それが会社としての大きな課題です。
ありがたいことに、永井農場で働きたいと言ってくださる方は大勢いらっしゃいます。ですが、農業に対する先入観が強すぎたり、大きすぎる幻想を抱く方も多く、途中リタイアも少なくありませんでした。
永井農場はスタッフも10人未満で、まだ13年しかたっていないヨチヨチ歩き、企業としてはベースづくりの過程にあることを知ってください。
農業経験は必要ありません。
それよりも、目の前に現実としてある農業の姿を受けとめ、既成概念に縛られない新たな視点を持って、長期的に組織の基盤構築に取り組んで欲しいのです。
農業は地域性を無視することはできませんし、それぞれのスタイルもあります。東御市の永井農場だからこそできる農業を、スタッフみんなと考え、つくっていける人に来て欲しい。ゆくゆくは自分の右腕になってくれるような方を求めています。
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永井農場スタッフ 冨岡 美帆の想い
経験を重ねるごとに農業の奥深さと幅広さを実感します
冨岡 美帆
長野県東御市出身。実家は元農家だが、農業経験はほぼゼロ。アメリカで海洋学を専攻し、6年間の大学生活をおくり、卒業後の2006年に永井農場入社。生産・酪農のほか、HPを含めた事務管理、米の委託元である地元のおじいちゃん・おばあちゃんの対応など、担当は幅広い。
私の場合、ふるさと+食=農業
アメリカで大学生活を過ごしました。田舎がイヤで広いところに行きたかったのですが、そこで思い知らされたのはふるさとの大切さでした。戦争のせいでふるさとにいたくてもいられない難民が多く、そのありがたさに初めて気づかされました。
そして、帰省のたびに、目に見えて農地が荒廃していくのがわかり、「誰かがやらなきゃいけない」と思うようになりました。
同時に、食についても考えさせられました。おいしい米も味噌もなく、いわゆるソウルフードと切り離されたとき、大事な何かがダメになっていく感じがして仕方ありませんでした。
農業についてはまるきり素人でしたが、自然や動物の観察は好きだし、自分のなかに"ふるさと"や"食"という問題を抱えていたこともあって、そうしたもののトータルが農業という職業に結びつきました。「どうしても農業!」というより、自分の信念に沿った選択が農業だったという感じです。
繰り返しの作業が生み出すもの
農業は深い。荒廃寸前の田んぼに手を入れているときに痛感します。もちろん収穫も喜びですが、「ここを食い止めている、遊休農地を一枚減らしたぞ!」という"守っている感じ"が私は好きです。
収穫はあくまでもサイクルのひとつ。収穫後にはまた整地をして......という繰り返しです。でも、毎年同じ作業を繰り返しているのに飽きることがない。毎年まったく違う発見や学びがあるのは驚きであり、楽しさでもあります。
酪農も担当していますが、牛に対しては「仕事させてもらいます」という感じ。「適当に世話をしたりしたら、おいしい牛乳は出さないよ!」という雰囲気が牛から発散されています。
仕事を適当にやると結局は自分がつまらないし、つまらないと思いながら仕事をしてもおいしいものはできませんよね。
職場としての成長期
いまだに筋肉痛になることはありますが、単なる筋肉痛であって"苦しみ"ではありません。肉体の疲れは眠れば治りますし、寝ても治らない苦労はいまのところありません。
でも、ストレスはそれなりにあります。職場である以上、人間関係のストレスがあるのは当然ですよね。農業は趣味の延長でやろうと思えばできてしまうので、そこをはき違えたり、向上心のない人がいると許せません。だって、ここでは農業が仕事なんですから。
最近ようやく、何か問題が起こったとき、スタッフが自発的に集まって話し合うようになりました。いままでは、会社に対してどこか他人事だったような気がしますが、上から言われて動くより自分で考えたほうがいい。少しずつですが、みんなが変わり始めています。農業法人とはいえ家族のイメージが強く、それがアットホームな雰囲気を醸していましたが、そこから一歩進んで、「会社としてどうあるべきか」を考えるようになったということかな。
深さの先に拡がる仕事
生産や酪農のほかに、米の生産者の管理等々の事務的な仕事も担当しています。
ずっと生産にこだわりがあり、最初のうちは言われたから仕方なく......という気持ちで事務仕事をしていましたが、やりながら「これも農業なんだ」ということを発見しました。いまは「何がなんでも現場」ではなく、いろんなかたちでよろこばれる仕事がしたい。広い意味で"おいしいものを望む人に食べてもらえる環境"をつくれる人になりたいです。
田舎育ちで何となく知っていたものの、農業に対する先入観はほとんどなく、「きっと大変だろうな」という程度で、美化も卑下もせずニュートラルでした。だから、長く続けられるのかもしれません。
これまで、農場を去っていく人も見てきましたが、農業に対して間違えた理想を抱いている人ほど現実を受け止められないように思います。ですから、何らかの癒し的なものを求める人には、職業としての農業はおすすめしません。
仕事って地味なことですけど、やり続けることで気づく深さやおもしろさがある。どんなことにも取り組める柔軟性と、簡単にあきらめない持久力のある人に来て欲しいです。



