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ワインと農業でおいしい東御を(前編)

journal13_1_02 永井 進
1971年生まれ。長野県東御市出身。地元中学校卒業後、北海道の高校・短大で酪農を学ぶ。1996年農場を法人化し専務に。2009年代表取締役就任。販売、企画宣伝、商品開発等を担当

journal13_1_02 小山英明
1967年生まれ。千葉県出身。大手電機メーカー就職後、山梨と信州でワインづくりに携わり、2006年から永井農場でワインプロジェクト担当。2008年に株式会社リュードヴァンを設立して独立

永井農場から車で約5分。ワイナリー「リュードヴァン」に代表の小山英明さんを訪ねました。理想のワインづくりをめざして大手ワインメーカーを退職した小山さんと永井農場の出会いは10年前。農場のメンバーとなって永井農場ワインプロジェクトを始動させ、2008年に独立した小山さんと、出会いのきっかけから食や暮らしへの思い、未来像までを語り合いました。

ワインに触発されてチーズが誕生


永井 すっかりきれいなブドウ畑になっているけど、ここはもともと耕作放棄地だったんだよね。地主のおじいちゃんに、「世話ができなくなったリンゴ畑を永井農場でなんとかしてくれないか」って頼まれたのと同じタイミングで、「腕の良い醸造家がいる」って知り合いに言われて、小山さんに会ったのが10年前。

小山 ワインメーカーを退職した後で、日本のワイン産業はブドウを栽培する側の負担のうえに成り立っているから継続性がない、このままじゃ日本のワインは尻すぼみになる、なんとかしたい、と思っていたときだった。
 僕が東御市でワインをやりたいと思ったのは、巨峰の産地でありながらブドウの産地にありがちな古い体質のワイナリーがなくて、新しいワイン文化がつくれると思ったから。だから、永井さんに「やらせてほしい」ってお願いした。最初にここを借りられたのは100%永井農場のおかげ。僕一人じゃ信用もお金もないから、地主さんに交渉しても絶対に無理だった。

永井 きっかけはともかく、あとは小山さんの意欲や実力ですよ。うちも法人化して10年ぐらい経っていて、少しずつ地域で認めてもらえるようになったころだったから、農場でワインプロジェクトが始められた。出会ったタイミングが良かったよね。
 実はこの辺りは、バブル期に大手ワイナリーの買収計画やゴルフ場の開発計画が中止になった過去があって、外から来る人への対応が厳しかったよね。

小山 そう、どうせあいつらすぐ出て行くだろうって。でも、リュードヴァンを立ち上げて、僕がこの集落に暮らして、若いスタッフも入って、毎年少しずつだけど畑を増やしてブドウの木を植えるうちに、見る目が変わってきた。

永井 よそ者じゃなくなってきたんだね。

小山 いまは目が会えば「うちの畑を使ってくれ」って言われる(笑)


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永井 畑が整備されてきれいな風景が増えるにつれて、周りの荒れた畑の所有者たちもやる気になってるんじゃない? 小山さんは地域の起爆剤みたいな存在だよね。うちだってそう。農場でチーズを始めようと思ったのも、小山さんのワインの影響が確実にある。

小山 僕が農場にいた頃からチーズのことは言ってたね。ワインに携わる僕としてはうれしいですよ。

永井 ずいぶん時間がかかっちゃったけど(笑)

小山 でも、心配はしてなかったよ。一朝一夕に良いものができるはずないし、計画を立てて着実に進んでいるなら大丈夫だろうと思ってた。

永井 小山さんにも食べてもらってるけど、率直な感想やアドバイスがありがたいです。

小山 僕はチーズの専門家じゃないからあくまでも感想だけど、とてもおいしかったですよ。良いチーズ職人と出会えて、本当に良かったよね。

東御にテーブルワインを


小山 広大な土地で栽培を機械化してコストダウンができれば地元の人が気軽に飲めるテーブルワインがつくれるけど、いまのうちの規模では無理。まずは手間暇かけて良いワインをつくって、評価を得て、プレミアムワインとして成立することが、この規模のワイナリーの存続条件なんだよね。

永井 ワインの価値がしっかり認められて、全国で評判になっているのはすごいよ。

小山 地元のワインが都会でも評価されて、かつて荒れ放題だった場所に全国からワインを求める人が来て賑やかになっている様子を見てもらえれば、過去に開発計画が頓挫した広大な耕作放棄地をワイン畑にしようという機運が高まるんじゃないかと思う。近い将来、東御市でテーブルワインがつくれる環境は整備できるんじゃないかな。農業への危機感を強く持っているけど何をどうしていいかわからない人は増えていて、僕なんかの話でも熱心に聞いてくれる。10年前には考えられなかったことですよ。

永井 小山さんはすごく腕の良い醸造家ってことだけじゃなくて、世の中のことが見えていて経営センスがある。だから絶対に成功するだろうと思ってたよ。

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---- 後編では、生産者と地域との関わり方や、地域の将来に対する思いなどを掘り下げていきます。あわせてご覧ください。

ワインと農業でおいしい東御を(後編)


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豊富な日射量に恵まれた東御の斜面に広がるブドウ畑。その一角にあるカフェレストランでは、ワインや関連グッズが購入できるほか、ワインにあう軽食もいただけます。

営業時間:土・日・祝日の10:00~17:00(平日は要予約)
住所:長野県東御市祢津405
Webサイト:Rue de Vin(リュードヴァン)

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