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お米と向き合う一年間

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小笠原竜大さんは、高校・大学・社会人とラグビーで鍛えた逞しい体を真っ黒に日焼けさせ、豪快なパワーで若いスタッフを束ねるナイスガイ。 永井農場で米づくりに携わって15年余り。日々、田んぼと向き合い、格闘しながら米づくりを誰よりも愛してやまない(!)小笠原さんに、永井農場ならではの米づくりの舞台裏について伺いました。


循環型農業の米づくり


 永井農場では今「コシヒカリ」をメインに、「あきたこまち」、酒米用の「ひとごこち」、寿司米に適しているとされる「笑みの絆」、そのほか餅米などを栽培しています。また「ホールクロップサイレージ(WCS)」といって、実がつかない状態で青刈りにしたものを牛の飼料用として栽培しています。自社直営以外に、近隣の田んぼの作業の請負いも行なっています。

 私たちの米づくりの一番の特長は、稲作と酪農の複合経営ならではの「循環型」農業であること。稲わらを乳牛の餌にし、乳牛から出る糞を熟成させた堆肥と米糠を田んぼに戻す。永井農場ではずっとこのやり方で米を作ってきました。自家製堆肥が肥料のメインとなるため、使用する農薬や化学肥料も、長野県の標準的な慣行栽培の半分以下に収めることができます。

 どんな肥料が使われているかは見た目にはわからないことですが、食べる人にとって何十年先までも安全なものを提供したいですし、これが一番旨い!と自信をもってお薦めできます。

永井農場のお米の一年


 米づくりの1年のサイクルは、まず4月初旬の種まきから。1㎝ほど発芽させた稲はビニールハウスの苗代に並べ、1ヶ月ほど適度に散水しながら丈夫な苗に育てます。同時に、冬の間じっくり寝かせた土をかえす「春おこし」。そこに肥料を撒き、代掻き(張った水と土を馴染ませる)をし、5/20頃から田植えが始まります。一般的な農家では田植えと同時に除草剤を入れますが、うちでは田植え後10日経ったところで、手分けして田んぼに入り、一枚一枚、人の手で弱成分の除草剤をかけていきます。大変な作業なのですが、これを怠るとその後の雑草の繁殖がひどいことになるので、しっかりやらねばなりません。

 田植え後、特に気を遣うのは日々の水の管理です。減農薬の稲は初期生育が遅いことや、有機物の肥料を使うとガスが湧きやすいこともあり、通常は張りっぱなしでも良い水を、生育状況や天候を見ながら抜いたり増したりして調整します。傾斜地にある私たちの田んぼには高低差もあり、田によって状況も違うため、毎日のチェックが欠かせません。

 9月初旬から落水し9/20頃から11月まで稲刈りです。刈り取りが終われば堆肥と米糠を投入し、秋の田おこし。こうしてまた翌年の米づくりに備えるのです。

大切なのは「素直であること」


 米づくりに関わって15年ほどですが、言い換えればまだ15回しか経験できていません。天候や様々な自然条件で、一年として同じ年はないので、毎年が一年生。人から教わることもありますが、なにより失敗をして苦い経験をして、自然から教わりながら学んでいくものです。

 植物は、自然界の自分の置かれた条件に素直に成長しますよね。だから私たち、関わる立場の人間も素直でなければならないと思います。自然に対しても、米づくりという仕事に対しても素直であること。若いスタッフともその気持ちを共有しながら、自然と一緒になって、皆さんに喜んでもらえる米づくりを続けています。将来的には、一切の購入肥料を使用せず、農場内で出た堆肥と米糠のみを使用して、より環境に優しい米づくりを実践していきたいと思います。