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2008年5月 アーカイブ

2008年5月 2日

伝え続ける価値あるものに…

2007 Chardonnay (シャルドネ)
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記念すべきファーストヴィンテージ。
昨年の10月の仕込み以来、半年間の眠りから覚めました。


輝く淡い金色、フラワリーでとてもチャーミングな香り。
幼木の為、味わいのボリューム感はまだまだ十分とはいえないが、決して薄っぺらではない。
豊富な酸味、しっかりとした骨格、ミネラル感にあふれたスマートな味わい。
生まれの良さ、品格すら感じます。
ファーストヴィンテージとしてはインパクト十分。
褒めすぎか…?   でも多少の親ばかぶりは勘弁してください。
今までの苦労が報われました。
好きな仕事だからホントは苦労だなんて思っていませんが…。


仕上げ作業
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丁寧にオリ引きしたワインをろ過機に通します。
決して過剰ではなく、必要最小限の作業です。


そして翌日は瓶詰め作業
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今まで一つだったワイン達が750mlづつに分割され、


コルク打栓されたとき、
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魂を吹きこめられたような気がします。


美しく深く輝くボトル
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堂々として見えます。


魂を封じ込められたボトル達はまた、
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籠の中でしばし、眠りにつきます。


ワインに限らず、アルコール飲料は製造時や輸送時の振動などで味わいが暴れます。
運動をして汗をかいて息が荒れている状態では落ち着いて食事も出来ません。
ワインも少し休ませてから、皆様の食卓で目を覚まします。


ヴィラデストワイナリー醸造長、小西さんと。
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熟成中に静かに管理、見守ってくれた小西さんに、
そしてまだ醸造所を持たない僕らにこんなに素晴らしい機会を与えてくれた
ヴィラデストワイナリー様に感謝いたします。


ありがとうございました。


そして、今日は葡萄畑の地域のお祭り。
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毎年山手の桜が散る頃、伝統のお祭りがあります。


祢津東町歌舞伎公演


約250年の伝統を持つ地芝居。
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勿論、地域の方々が一生懸命稽古をして演じる芝居は本格的です。


県指定文化財
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文化14年(1817年)の歴史ある回り舞台。


地形を上手に利用して
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まるで円形劇場のようです。


歌舞伎舞台の入り口からの眺め。
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まだまだ黒い瓦と白い漆喰の壁が多く残るこの集落。
日本の田園風景に溶け込む自然な景観。


もはや都会の無秩序な風景を美しい町並みに変えることは難しいでしょう。
このような田舎の風景を見ると、まだ地方ならば何とか間に合うのではないかと思います。
テクノロジーの進歩、新しい機能あふれた建材は厳しい信州の冬の寒さを快適なものにしてくれます。
しかし色合いや建築様式の統一など出来ないものかと思ってしまいます。
ヨーロッパなどでは当たり前の事ですね。日本だって出来るはずです。
素晴らしい歌舞伎と共に美しい田舎と集落の風景も残してゆきたいですね。


歌舞伎舞台の直ぐ後ろ、同じ尾根に沿って葡萄畑は広がってゆきます。IMG_2681g20%25.JPG
シャルドネもだいぶ芽吹いてきました。


僕らの目指すべくワインのある環境とは、葡萄栽培とワイン造りとワインと食のある環境。
ワインのみならず野菜や肉や乳製品等も生産から消費までお互いを必要として生きてゆける環境を作ること。
決して流行廃れではなく、長い年月をかけて育むもの。
まさにそれは”文化”の構築なのです。

そしてこの地域では歴史ある地歌舞伎を自らの手で守り伝え続けています。
これも正に”文化”そのもの。
簡単に古き良きものを捨て去ってしまう今日の日本では奇跡のようにすら感じてしまいます。
いつの日か僕らのワインを、この歌舞伎を観覧するお客さまが当たり前のように飲んで頂ける日が来たら…。


僕らのワインが、伝え続ける価値あるものに…
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全てはこれから、このファーストヴィンテージから歴史が始まって欲しいものです。

2008年5月30日

緑の季節が始まる頃

五月も残すところあと数日。
苗木の定植が終了してほぼひと月。
枯れ木のような枝の節々から、命が溢れ出て来るかのように芽吹きが始まり、やがて小さなかわいい花芽をぶら下げ、一雨ごとに新しい葉を開いてゆきます。
空に向って上へ上へと背伸びをするように伸び行く蔓の先端に視線を合わせると、雲でも掴みたいのだろうか?などと思えてきます。
毎年の事ですが、この時期の葡萄達の成長の早さには毎日見ていても驚かされるばかりです。


五月の初め、シャルドネの芽吹き
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地面もにぎやかさを取り戻します。
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区画によっては綿毛のところも。
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カラスノエンドウ
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小さくて可憐な花をつけますが…


ナズナと共に畑全面を覆いつくす勢いです。
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元々空き地だったり雑木に覆われていた区画も根粒を持つマメ科の植物が繁茂しだせば一安心。
天然の窒素肥料となって葡萄の生育も目に見えて良くなります。


区画ごとに生えてくる草花の違いは土の状態を映し出します。
そして土の良し悪しは葡萄の生長へと係わります。


今年植えたピノ・ノワール
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無事に芽吹きましたよ。


そしてここからは五月末。


土手には鮮やかなアザミが咲き誇っています。
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”気をつけ!” 
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ピシャっと整列して見えるのは3年目のシャルドネ
立派な垣根仕立てになりました。


2年目のメルローもごらんの通り。
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地面に咲く小さな白い花。
こちらの区画もマメ科のクローバーに覆われてきました。


そして今年植えたピノ・ノワールも順調そのもの。
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しかし長いこと雑木林だったこの区画。 地面に目を移せば草の種類も違います。


草以外にもノブドウや、
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ニセアカシアまでもが…
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この土地を自然へ、森へ返そうとしています。


これから毎年丁寧に草刈をして葡萄達と付き合ってゆくと畑を覆う草花の組成の変化に気付きます。
3年も経てば先の様な草花に覆われて立派な葡萄畑になるでしょう。


僕らは葡萄の木を植え、収穫し、ワインにします。
一見自然と向き合った暮らしのようだが、雑木の林と化したこの農地を開墾し、葡萄畑として感じたこと、それは葡萄栽培は自然ではない。
人が関与し続けなければならないということ。


森の様に何も与えず植物が育つ環境は理想であるが、この葡萄達は森では育ちません。
ヒントは森にあり、森ではないということ。


地面の感触、草花や葡萄の生長を感じ取ること。
そして最後に土壌の成分分析をして肥料を与えるかどうかを判断する。
育てるという感覚では無いのかもしれない。
大切なのは葡萄達が健全に生きてゆける環境を整えてあげることなのであろう。


…とまぁ、理屈っぽく哲学的な解釈はこの程度にして。


それよりももっと感じること。この地が教えてくれたこと。
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それは、この葡萄畑に足を運べば草花も葡萄も美しく、理屈抜きに気持ちが良いってこと。
春から夏へ向うこの五月、成長を始めた葡萄達と清々しい風。
暑く苦手な夏を迎える前に今が一年で一番気持ちの良い季節です。
五月の終り、緑の季節が始まる頃。

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