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謎解きの旅

このワインプロジェクトが始まる以前の話。
今から2年前の夏のこと、ワイン屋として大切なワインの仕込みの時期を前に勤めていたワインメーカーを辞めました。
一年に一度、人生で数十回しか経験のできないワインの仕込み、その仕込みを棒にふる事はどんなに辛く、どんなに勿体ない事か…。
理由やきっかけは皆さんのご想像に任せるとして、ワイン屋としての誇りの為にメーカーを去りました。

そんな途方にくれていたとき、友人から ”小山さん、シードルつくれない?” なんて問い合わせがあったのです。捨てる神ありゃ拾う神ありとはまさにこのこと。
そのとき僕をシードル造りの世界へ導いてくれた友人と依頼をくれたメーカーに今でも感謝しております。

ところで、シードルとは何か、簡単に説明いたします。
Cidre:フランス語でリンゴを原料に醗酵させた炭酸入りのスパークリングワインのことです。
フランスでも北部に位置するノルマンディーやブルターニュで造られ、アルコール度数もワインよりも低く、独特の風味を持ったお酒なのです。
イギリスやドイツでも同様なものも造られています。英語ではサイダー、日本では云わずと知れた炭酸飲料の語源になっていますね。
しかし、僕らの造っているはれっきとしたお酒です。
下の写真のようにシャンパンのような耐圧の瓶に入っています。

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実は先ほどの友人質問 ”シードル造れない?” の問いに対して、
僕の答えは "造れるはず。”
造ったことは無いが、今までの経験から造れる自信はありました。
そして造ったのが上の写真、一番右の一本が僕の作品です。
おかげさまで大変好評。一昨年、昨年と造らせていただきました。
今シーズンはもう製造技術をメーカーへ移管したため僕のシードルの仕込みはありません。
(ちょっと残念ですね。)

ただ、好評な僕のシードルも造ってみるといろいろと疑問が沸いてくるのです。
自分自身のシードルにではなく、本場フランスのシードル対する謎が造るほどに深まるのです。

そこでシードル造りを行わない今シーズンだからできること、それは本場フランスへ謎解きの旅にでることでした。

世界中で近代的な方法で造られているワインと比較して、シードルは理論的な製造方法は理解できても、特に本場フランス産を飲んでみると腑に落ちない点が多々あるのです。
情報にあふれてるワインと違いシードルのミステリーなこと。
結論から言うと今回の旅を通じて多々あった謎は解けました。

どんな謎がどんな事だったのかは技術的なことからその他色々とマニアックな事で、当然ここで表しきれるはずがありません。
しかしそれは今後、僕らのワインプロジェクトから生まれてくるシードルに必ず反映されてくるでしょう。
できるのはまだ数年先の事ですが、楽しみにしていてください。
もともとは林檎畑だった僕らの葡萄畑です。
地域にはまだまだたくさんの林檎の樹があります。この地域の林檎で、そしてこの旅で得たことをプラスして、僕らのオリジナルなシードルがきっと…。
それこそ、答えはあのときみたいに ”造れるはず。” です。

今回は前置きが長くなりました。
ここからは言葉少なめに謎解きの旅の写真となります。


ノルマンディーの朝
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何処の国でも朝日は美しい。


今回モンサンミッシェルへ向ったのが唯一の観光
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それもちょっと近くまで行ってみただけ
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旅の目的はあくまでも謎解き。


このお城は”カルヴァドス”即ちリンゴのブランデーのメーカー
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数々の表彰状
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紳士の社長さんが丁寧に案内、昼食までご馳走してくれました。
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Merci beaucoup, Monsieur.


崩れた古城
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実はとても洗練されたシードルの造り手が住む。
僕がきっと歩むであろう道のりを既に歩んでいる優れた造り手でした。
たくさんのヒントをありがとう。


こちらも大手カルヴァドスのメーカー
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頭上を通るパイプラインで原料のリンゴ酒が運ばれてきます。


大きな蒸留器
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75%までアルコールが高められます。


16世紀の城の中で樽熟成される。
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先祖は海を渡ってきたとか…。天井は船底と同じ作りだそうだ。


最後に訪れたのはノルマンディーらしい建築様式の屋敷
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そこにはとても味わい深く、フランスらしいシードルを生み出す造り手が住む。


屋敷の隣、牛と共にある生活
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林檎の木の下で牛達が草を食んでいる
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この地方の伝統的な農家の生活スタイル。


この建物、16世紀にシードルを造る為に建てられたという。
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シードルは今も変わらずここで造られている。
誰よりもフレンドリーに迎えてくれてありがとう。


天井裏で寝かされている林檎
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そして僕の手と…
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天井裏からの眺め
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この古い樽でシードルやカルヴァドスは造られてゆく
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ノルマンディーの気候と最後に訪れたこの蔵で全ての謎が解けました。


シードル造りに必要な気候風土
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その気候風土から生まれるシードルのみならず、僕らの生活の在り方そのものを考えさせられました。


シードルと共に
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アンドゥイエット(臓物のソーセージ)を包んだガレット。


港街のレストラン
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生牡蠣にこれでもかとばかりの甲殻類…。
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街の小売酒屋
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勿論、シードル、カルヴァドス、ポモーなど地元のお酒がほとんどを占める。
その地で愛されてこそ特産であり名産は生まれる。


最後はパリ。
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クリスマスシーズン。白熱電球の暖かい光と変わって青白いLEDに照らされたシャンゼリゼ通り。
省エネの為には仕方ないのかな…。


この旅を通じて協力して頂いた多くの友人、知人、そして現地で暖かく迎えてくれた方々。
いつの日かまた訪れてみたいと思います。
そしてそのときは僕らのシードルを土産に持参します。
本当にありがとうございました。

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コメント (18)

色白のいちいちれびん:

おみやは?

え゛ー、今年は”るるべ”(勝手に略す)造らないんすかー!!楽しみの1つだったのに。フランスか。いいなぁ。いえいえ、観光ではないでしょうし、苦労もあるでしょうが、非日常と目標のために、、がです。
帝国の暗黒面をみた一人としては期待せざるを得ません。おいしいものができれば、そして・・・・・もう(T_T)勝るもの無し。あぁもうかけない


P.S.型式を間違えていたのでかえました。

クタ:

おみやは?(マネして見ました・笑)
ノルマンディーもモンサンミッシェルもシャンゼリゼも・・・素敵です!!!
夢の実現に向けての旅は得る所が多かったのでしょうね。
美味しいワインを飲みながら土産話でも聞きたいところですが・・・
寒い季節なので風邪など引かぬ様に冬のお仕事頑張ってください!

黄色いアクマ:

お帰りなさぁ~い!!
無事で帰ってきてなにより。
土産話で何日ワインが飲めますかね~?www
歴史、風土、人が「造る」ということを生み、それが地域に愛されて文化となる。「造る」ことはとても素晴らしく、これからも自分にとってかけがえのないことです。

心が洗われました。
いつか天使になれるかな~?

ちっち:

ワインやフランスのことはあまりよくわからないけれど
私はもっといろんな所に旅に出で
多くの物を見たり聞いたり感じたり
たくさんの事を経験しなくてはならないな・・・
と感じました。

素敵な写真をありがとう。

pg:

千葉より。 久しぶりの訪問です。 そんな間にフランスに行かれていたとは。 相変わらずの揺るぎない情熱。
素敵すぎて 倒れそうです(^_^)
小山さんに娘を嫁がせたいくらいです。 まだ小学生だけど(^_^;)
では、厳しい寒さを頑張って乗り切って下さい!!
シードル、家族や友人が今週あつまるのでいよいよお披露目ですよ。 とても楽しみにしています!!
 

H.Koyama:

色白のいちいちれびん さん
帝国の暗黒面……。
ハハ、笑えますね。(^^)
笑い事ではなかったけどね。
それと”非日常”ではないのですよ。特別なことではなく”日常”を実現するのです。


クタ さん
本当に得るものが多かったです。
それにやっぱり多くの人に助けられ、温かい心に感謝できる事。それも大きいです。


黄色いアクマ さん
分かったもらえてるね。ありがとう。
天使?…まだまだでしょ?まだアクマでいいんじゃない?若いんだから!(^^)


ちっち さん
目的を持って旅にでると確かに見聞が広がりますね。
だけどそれ以上に多くの人たちの温かさが宝になりますね。
頑張ろう。優しくなろう。強くなろうって思います。
まだまだだけど。


pg さん
あまりおだてないで。(^_^;)

シードルよく冷やしてね。開ける時少し吹き出るかも知れないから気をつけて。

小山様、疑問を持って追及するにはその土地に出向くという考え方は大賛成です!フランスは行った事がなく、暑い国ばかり行っていた私ですが、この世界に入ってみるとやはり本場の畑も見てみたいです。今年からはもっとお忙しくなられますね!頑張って下さいね(*^_^*)

お疲れ様
でも楽しかったでしょ?
ものすごく懐かしいです
ノルマンディーに行ったのは
10年近く前になってしまうのかな
レストランごとに味の違うシードルに
驚かされたものでした
行ったことのある所も数件あり
本当に記憶がよみがえりました
しっかりとお土産話聞きたいと思います

疑問に思ったら即行動
小山さんってすばらしい!
これがまたワインにも生かされるんですよね?

H.Koyama:

nonko さん
そうですね。
疑問だらけでしたから…。
日本の寿司職人の握っている姿を見たことのない外国人シェフが知識と想像力を働かせて寿司を握っているようなもの。
僕のシードルなんてそんなものです。
この例え、分かりますか?
百聞は一見に如かず、ですよね。


gelee さん
ホント、フランスのシードルってそれぞれまちまちですね。食文化の懐が深いですね。
簡単に文化まで取り入れることはできないど、この目で見てきて消化しないと本質は追求できないです。
でも、理屈抜きでフランスの食はたまらないですよね!
また、ご報告に行きます。

エ~~~そうなんですか!ビックリです。それであのシードルが出来ちゃうんですか(@_@;)二度ビックリです!
フランスのシードルってあんなに小さなリンゴなんですね。小山様の使われたリンゴはメチャクチャ贅沢なリンゴのように思いましたが・・・

H.Koyama:

nonko さん
本文で触れているように、僕の造っているシードルには何も疑問はないのです。
ただあくまでも本場のものがミステリーだったのですよ。
僕のシードルのあの味わいは勿論狙って造ったものです。

お写真見させていただくだけでも、「このリンゴで~?」なんて思ってしまいます。日本は設備なんかも整ってるんでしょうね!「過保護・・・」なんて言葉も頭をよぎります。今のプロジェクトの小山様の造られるシードルを楽しみにしています。

pg:

おだててる風に聞こえたか~ (^_^;)
書いた後褒めすぎたって後悔したけど。(冗談)
市の再生プロジェクトの一環として、花部門の担当になり 色々と「そうじゃない!!」的な発想ばかりでびっくりしていたから。この町には小山さんみたいな感性もった青年(!?)いないもーん。でもみんな情熱はあるし、いい町・市にしたい気持ちは一緒なんだけどね。変わらずに変えていくのは難しい。 食文化って大事だよね。 テーブルに庭で摘んだ花を飾りながら地元の食材を使ったお酒や料理を食べるとか。だいそれた事でなくそういった事を伝えて行けたら本当はいいのだけど、、それが財産なわけなのだから。
頭はモヤモヤだから シードル飲んでパァーとやります。


     

H.Koyama:

nonko さん
過保護とかそういうものではないのですよ。
でも早く造りたいですね。
ありがとうございます。


pg さん
古い友人に褒められると照れくさいでしょ。若い頃を知っているだけに…。(^_^;)
魅力ある生活ってまずは自分たちから実践して行くしかないよね。行政にやらせていては自分たちがやっている実感が生まれない。
千葉は温暖で花の街とか云って沿道に菜の花が植わっていたりするけど、自分達で花の街を作っている実感はないよね。行政や業者任せでしょ、たぶん。
例えば各家庭の庭先やテラスには必ず花が植わっているとか…。そういうことから景観を変えて行けば美しい街をまもろとする意識も芽生え、汚い看板やネオンに何とかしようって思うかな?
いいね、どの家庭にも花が植わってるって、プランターでもいいしね。そんな街なら訪れてみたいよね。ドイツの街とかもそうだよね。
まずは、自分からできること。それしかないのかな。
何も変わらない者は何も変えられないしね。
長くなってすみません。(^^)

快速ラグナ号:

前回にくらべると大分大人のフランスの旅のようですね
また色々お話聞かせてください。

今年も冬の峠前後にお世話になるかもしれませんのでよろしく!!

H.Koyama:

快速ラグナ号 さん
昨年のブルゴーニュは彼らの懐に入って体験する事で自分が築き上げようとする世界、即ちワインと人々との係わりを実感するための旅でした。
今回はあくまでも謎解きの旅。しかし分かったことは平たく言えば文化だったんですよ、やっぱり。
彼らの文化を紐解いて行くとその謎が解けて行きました。
詳しいことはそれこそ、冬の峠の時にでも。

色白のいちいちれびん:

お寒うございます。
県の北部および西部には大雪警報が出ているそうな。ここはまだ田んぼが白くなる程度で、山麓線まで上がらないと道は白くなりません。あすは?楽しみ!!

あと6時間ほどで新年です。千葉へ帰ったかな?
仕事ももう30分くらいで閉めて、帰ることになります。そうしたら、年に一度の連休だぁ!おとっときを飲むぞお!おー!! ってできるかな?いつも寝てしまうんだな、これが。

A Happy New year 来年も良い年でありますように

H.Koyama:

色白のいちいちれびん さん
遅ればせながら、昨年はありがとうございました。m(__)m
今年は久しぶりに一緒にワイン飲みましょうね。
ワインのある生活、楽しい生活、送らなきゃ!

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2007年12月18日 00:43に投稿されたエントリーのページです。

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