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2007年12月 アーカイブ

2007年12月18日

謎解きの旅

このワインプロジェクトが始まる以前の話。
今から2年前の夏のこと、ワイン屋として大切なワインの仕込みの時期を前に勤めていたワインメーカーを辞めました。
一年に一度、人生で数十回しか経験のできないワインの仕込み、その仕込みを棒にふる事はどんなに辛く、どんなに勿体ない事か…。
理由やきっかけは皆さんのご想像に任せるとして、ワイン屋としての誇りの為にメーカーを去りました。

そんな途方にくれていたとき、友人から ”小山さん、シードルつくれない?” なんて問い合わせがあったのです。捨てる神ありゃ拾う神ありとはまさにこのこと。
そのとき僕をシードル造りの世界へ導いてくれた友人と依頼をくれたメーカーに今でも感謝しております。

ところで、シードルとは何か、簡単に説明いたします。
Cidre:フランス語でリンゴを原料に醗酵させた炭酸入りのスパークリングワインのことです。
フランスでも北部に位置するノルマンディーやブルターニュで造られ、アルコール度数もワインよりも低く、独特の風味を持ったお酒なのです。
イギリスやドイツでも同様なものも造られています。英語ではサイダー、日本では云わずと知れた炭酸飲料の語源になっていますね。
しかし、僕らの造っているはれっきとしたお酒です。
下の写真のようにシャンパンのような耐圧の瓶に入っています。

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実は先ほどの友人質問 ”シードル造れない?” の問いに対して、
僕の答えは "造れるはず。”
造ったことは無いが、今までの経験から造れる自信はありました。
そして造ったのが上の写真、一番右の一本が僕の作品です。
おかげさまで大変好評。一昨年、昨年と造らせていただきました。
今シーズンはもう製造技術をメーカーへ移管したため僕のシードルの仕込みはありません。
(ちょっと残念ですね。)

ただ、好評な僕のシードルも造ってみるといろいろと疑問が沸いてくるのです。
自分自身のシードルにではなく、本場フランスのシードル対する謎が造るほどに深まるのです。

そこでシードル造りを行わない今シーズンだからできること、それは本場フランスへ謎解きの旅にでることでした。

世界中で近代的な方法で造られているワインと比較して、シードルは理論的な製造方法は理解できても、特に本場フランス産を飲んでみると腑に落ちない点が多々あるのです。
情報にあふれてるワインと違いシードルのミステリーなこと。
結論から言うと今回の旅を通じて多々あった謎は解けました。

どんな謎がどんな事だったのかは技術的なことからその他色々とマニアックな事で、当然ここで表しきれるはずがありません。
しかしそれは今後、僕らのワインプロジェクトから生まれてくるシードルに必ず反映されてくるでしょう。
できるのはまだ数年先の事ですが、楽しみにしていてください。
もともとは林檎畑だった僕らの葡萄畑です。
地域にはまだまだたくさんの林檎の樹があります。この地域の林檎で、そしてこの旅で得たことをプラスして、僕らのオリジナルなシードルがきっと…。
それこそ、答えはあのときみたいに ”造れるはず。” です。

今回は前置きが長くなりました。
ここからは言葉少なめに謎解きの旅の写真となります。


ノルマンディーの朝
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何処の国でも朝日は美しい。


今回モンサンミッシェルへ向ったのが唯一の観光
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それもちょっと近くまで行ってみただけ
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旅の目的はあくまでも謎解き。


このお城は”カルヴァドス”即ちリンゴのブランデーのメーカー
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数々の表彰状
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紳士の社長さんが丁寧に案内、昼食までご馳走してくれました。
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Merci beaucoup, Monsieur.


崩れた古城
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実はとても洗練されたシードルの造り手が住む。
僕がきっと歩むであろう道のりを既に歩んでいる優れた造り手でした。
たくさんのヒントをありがとう。


こちらも大手カルヴァドスのメーカー
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頭上を通るパイプラインで原料のリンゴ酒が運ばれてきます。


大きな蒸留器
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75%までアルコールが高められます。


16世紀の城の中で樽熟成される。
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先祖は海を渡ってきたとか…。天井は船底と同じ作りだそうだ。


最後に訪れたのはノルマンディーらしい建築様式の屋敷
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そこにはとても味わい深く、フランスらしいシードルを生み出す造り手が住む。


屋敷の隣、牛と共にある生活
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林檎の木の下で牛達が草を食んでいる
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この地方の伝統的な農家の生活スタイル。


この建物、16世紀にシードルを造る為に建てられたという。
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シードルは今も変わらずここで造られている。
誰よりもフレンドリーに迎えてくれてありがとう。


天井裏で寝かされている林檎
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そして僕の手と…
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天井裏からの眺め
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この古い樽でシードルやカルヴァドスは造られてゆく
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ノルマンディーの気候と最後に訪れたこの蔵で全ての謎が解けました。


シードル造りに必要な気候風土
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その気候風土から生まれるシードルのみならず、僕らの生活の在り方そのものを考えさせられました。


シードルと共に
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アンドゥイエット(臓物のソーセージ)を包んだガレット。


港街のレストラン
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生牡蠣にこれでもかとばかりの甲殻類…。
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街の小売酒屋
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勿論、シードル、カルヴァドス、ポモーなど地元のお酒がほとんどを占める。
その地で愛されてこそ特産であり名産は生まれる。


最後はパリ。
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クリスマスシーズン。白熱電球の暖かい光と変わって青白いLEDに照らされたシャンゼリゼ通り。
省エネの為には仕方ないのかな…。


この旅を通じて協力して頂いた多くの友人、知人、そして現地で暖かく迎えてくれた方々。
いつの日かまた訪れてみたいと思います。
そしてそのときは僕らのシードルを土産に持参します。
本当にありがとうございました。

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