冬の到来
寒さがやって来ました。
空気の澄み渡った日、遠く北アルプスの山々は雪に覆われていて、あまりの美しさに心が洗われるようです。
こちらにくる前に暮した松本で目の前に広がる雄大な北アルプスにすっかり心を奪われてしまったようです。
山の見えない地域で育った僕にはいつまでたっても山の景色は別世界であり、ましてや雪山なんで大人になるまで見たこともなかったくらいですから。
だから天気の良い日は「アルプスは?、蓼科山は?、富士山は見えるかな…?」なんて自然とチェックしてしまいます。
そんな眺めの良い僕らの葡萄畑は浅間連峰の西側、湯の丸高原の麓にあります。
烏帽子岳に雪がつもるとそろそろ本格的な寒さも近いかな…なんて思ったりします。
ボジョレー・ヌーボーも解禁になった翌日、寒さは突然やって来ました。
いつもの作業着にもう一枚フリースのベストを着ての作業。
秋から冬へ一つ季節のコマが進んだようです。
そして葡萄達も本格的な寒さに控えて藁を束ねて防寒です。
葉が残っているのはソーヴィニヨン・ブラン。
この日の早朝は里でも-4℃。
いつまでも青々と葉を残していたソーヴィニヨン・ブランですが、
さすがに今朝はしおれてしまいました。
モンキチョウも羽ばたいてはとまっての繰り返し。
すり切れた羽が痛々しい。
夏にはワイヤーの上が指定席だったトンボも
今は暖かい石の上や陽のあたる斜面が指定席。
草花も昆虫も最後の力を振り絞っています。
一年で寿命を終えてしまうもの。僕ら人間からするとはかなく切ないですね。
藁を巻いた若木の葡萄達も無事にこの冬を乗り越えほしい。
そして僕らの寿命がはかなく感じるくらい長生きしてゴツゴツと歴史を刻んだ立派な幹になって美味しい葡萄を実らせてほしい。
Vieille Vignes(ヴィエイユ・ヴィーニュ)
樹齢の高い木から収穫した葡萄で造られたワインのこと。
凝縮された味わいは永い年月をかけて刻んだ年輪を映し出したかのように複雑で深い。
これはヴィエイユ・ヴィーニュどころか今年仕込んだシャルドネ
二年目の若木から収穫した葡萄。
しかし、華やかで香りのボリュームもあり、しっかりとしたボディーを感じる。
まだまだ製品化までは時間がかかります。その間どのような変化を見せるのか。
ワインとはとてもミステリアスな飲み物です。
常に変化し、またその変化を楽しむものでもあります。
ボトルに詰められるまでの変化。
ボトルの中での変化。抜栓してからの変化。そして口に運んでからの変化。
このシャルドネ、今は素晴らしくてもボトルに詰められるまでは安心できませんが、現時点ではそのポテンシャルに並々ならぬものを感じます。
製品となった時、信州の、東御の、そしてこの地のポテンシャルの高さを感じることができるといいですね。
そしてヴィエイユ・ヴィーニュとして次の世代へ引継ぐ価値あるものへと成長して行けるように…。