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2007年9月 アーカイブ

2007年9月 7日

夏と秋のはざま そして共存とは…

台風9号が猛威を振るっています。
信州へ移り住んで4年。高い山々に囲まれたこの地域、今回の台風、こちらでは記憶にないくらい降り続いています。
僕らの葡萄畑と、このブログを読んでくださる皆様に災害がないことを願っています。

さて、それでは一昨日の作業からいつものように思いつくことを徒然と…。

台風が来る直前、今シーズン最後の消毒作業を終えました。

こちらオープンカーの赤いボディーがスポーティー?なスピードスプレイヤー、通称”SS”と云う散布用の機械。枝葉の生い茂った2年目のシャルドネに使用しています。
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後ろのファンから空気を吸い込んで、霧状の消毒液を吹き飛ばします。

そして今回の消毒作業は枝葉の少ない1年目のメルロー。
SSを使用すれば楽なのですが、これでは無駄に消毒液を撒き散らすようなもの。
そこで、今回はこのノズルでてくてく歩きながら一本一本丁寧に散布してゆきます。
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減農薬への取り組み。環境と食へのダメージを少しでも和らげたい。
そして土へのダメージを和らげ健全な葡萄を栽培し、健全なワインへと繋げてゆければ…。

雨合羽を着てマスクとゴーグルをしての作業、秋の気配はするものの、日中はまだ暑さが残ります。
視界は曇り暑さと息苦しさから、かる~く意識が遠のきます。これじゃぁ、身体へのダメージは大?ですね。^_^;


夏と秋のはざま。
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作業を終え、雨合羽を脱げばひんやりとした風が吹いています。
気持ちがいいです。


そんな季節の移り変わりを肌で感じれば収穫の日も近いはず。
たわわに実ったシャルドネ。確実に味が乗ってきています。
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黄金色の房、陽の光にすかして見れば…
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大きく膨らんだ種が覗きます。


ここは元々林檎農園、秋らしくなって来ました。
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その林檎農園のお隣はソーヴィニヨン・ブラン。
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青い房、そして清々しい青い味わいはまさしく、あのソーヴィニヨン・ブランそのもの!
僕のソーヴィニヨン・ブラン、飲んだことのある方、分かりますよね。(^^)v


これ何か分かりますか?
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ソーヴィニヨン・ブランの糖度です。既に18度、酸味が豊富でとてもフレッシュ。20度超へ向けまだまだ上がります。来年以降が楽しみですね。


メルローも色づきました。
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素朴な山の果実のようでもあり、かつ、とても洗練された味わい。
流石、ボルドーと云いたい程。


この日のシャルドネの糖度は14~16度、この分では収穫は今月末くらいだろうか!?
そして味わいの乗りと共に、やってくるのが、鳥獣たち。
少しくらいはいいかな…。(あくまでも少しくらいですよ。)


中身だけ食べるのは小鳥かキジか?
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里の巨峰畑はカラスの被害が多いらしい。


こちらは獣の仕業。
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今のところ被害は山際だけ。森の中から目を光らせてるのだろうか?


この山には熊も狸も鹿も狐も猪も穴熊も住んでいます。
先日もお隣の林檎農園に熊が出没したらしいです。大切に育てた林檎の木が丸裸に…。
人が獣の住む森へと近づいた為と云われているが、この地は元々林檎団地。そして林檎団地の以前は辺り一面見渡す限りの桑畑だったと聞く。
今でも畑の脇の小道を森の中へ入って行くと以前はきちんと整備されていた形跡があちこちに残っています。
農業の衰退が農地を森に変え、そして獣のテリトリーが近づいて来たのではないのだろうか?

林檎農園には猟友会の方々によって罠が仕掛けられてゆきました。
農業は自然相手の仕事である。”自然相手”と云うのは必ずしも”共存”では無いようです。
複雑な問題です。まだまだ、答えは出ませんが考えさせられる出来事でした。

2007年9月14日

楽園、そして出来るだけの事

4月の苗植え、そして5月の芽吹きから4ヶ月程。葡萄の成長と追いかけっこをするように世話をしてきました。
そして今はベレーゾンをむかえ完熟するのを待つのみ。
…とい行きたいところですが、台風やら鳥獣の対策に追われる日々を送っています。

台風一過
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台風の過ぎ去った後のからりとした晴天が好きです。
この時期の台風一過、確実に一つ季節が進んでゆくような感覚があります。


水浸しの葡萄畑。雨蛙も気持ち良さそうだ。
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大きな被害は無かったのですが、やはり多少、枝が折れたり
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水が溢れたりもしました。
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荒廃農地の再生を掲げて始めた葡萄栽培。しかし植えただけでは再生にはなりませんね。大雨によって土手から染み出してくる水や、詰ったU字溝から溢れた水。葡萄栽培のみならず畑の整備も含めてまだまだ課題は多いです。


そして台風の後は鳥獣による被害。
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勘弁して欲しい。

今年は初めての収穫。鳥獣による被害も週末あたりから加速度的に増加しています。
僕らが遠慮がちに一粒づつ試食しているのに、…許せん!
犯人は誰だ!

被害は山の上から下までと広範囲。皮を残さず食べる手口は獣か大型の鳥か?
きらきら光る防鳥テープも役に立たず。そして犯行は夜間。
獣だろう。
低い位置から食べてゆく奴らは木登りは苦手?
…ってことはハクビシンではない。


参考までに、これは6月に発見した足跡。大きな爪跡。
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ツキノワグマにしては小さい。穴熊か?それとも小熊か?


そしてこちらも参考までに。
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二つに分かれた蹄はカモシカか?


そして今回の犯人の足跡を発見。
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足跡には鋭い爪跡もなく小型。ってことはやはりあの日本人に古くから愛されている小動物の仕業か?
信楽焼きでは酒徳利を背負い、そして茶釜に入っては綱渡りをする奴らに違いない。

なぁ~んて探偵ごっこは楽しいけれど、このままでは被害は拡大する一方。
2年間の努力が水の泡になる。
役所へ連絡し猟友会の方に見てもらう。やはり、あいつら、タヌキの仕業でした。

タヌキの獣道は小さく分かり辛い。分かればわりと捕まえやすいらしい。
今回は捕獲は断念。一匹だけでは無いだろうし、防獣ネットで畑を覆うことにしました。
とりあえず、手に入るだけのネットを購入し、残りは注文。
ネットが足りない区画は夜間、ラジオでも鳴らしておくと良いとの事。臆病ものらしい。


今日の放送は野球中継
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野球好きな狸はいないと思うが…。


日が暮れて最後のラジオをセットしようとすると、血相変えて逃げる奴を目撃しました。
モコモコとした毛皮。振り返った奴の愛らしい顔。
突然の出来事で勿論写真は無いのですが、やはり狸でした。
どんなときでも良く眠れるのですが、今回は丸裸になった葡萄とあのモコモコした奴が脳裏に浮かんで熟睡できない。


夜が明けて、ラジオの効果もそこそこあるが、やはり少しついばんでいる。
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二日待ってネットが到着。素早い対応、ありがたい!
昨日の夕方、そして今日一日かけてようやく全てのネットを張り終える。
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これで狸の楽園もおしまい。(だといいが…)


車のライトで畑を照らし、二日連続で日が暮れての作業。
猫じゃらしもライトアップ
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スタッフの皆さん。お疲れさま。


ここ東御の自然は濃く、様々な草花に昆虫、鳥に獣が暮らすところ。
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自然に恵まれたこの地で自然に触れて仕事が出来る事はとても幸せなこと。
しかしワインが出来るまで、目指すべく幸せを掴むことは簡単ではないです。山越え谷越え、試練が続きます。その分達成感はありますがね。
残すところ収穫まで十日あまり、これ以上試練は……正直、御免ですね。

出来るだけの事は行いました。
そして今日はようやく良く眠れそうです。

2007年9月29日

521日目の喜び

秋だというのになんとなく夏の余韻が残る今年の信州。
晴天続きは葡萄の糖度アップには持って来いなのですが、夜の温度がやや高いか?
いつ収穫の日がやってくるのだろうとヤキモキさせられる。

まだ樹形も整わない2年目のシャルドネ、ワインとなってもコクは望めない。
ならば過熟する一歩手前で収穫しようと思う。
酸味を残してフレッシュさで飲めるワインにしよう。

なんて考えながら収穫のタイミングを待ちました。
そして、その記念すべき初収穫をむかえたシャルドネです。
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だいぶ狸に食べられてしまいましたが何とかここまでたどり着けました。


思えば昨年の4月、初の苗植えの日
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友人達の笑顔!


その日から数えて、521日目。
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出来るだけ多くの皆様に収穫の体験をしていただきたいのですが、
まだまだ少ない葡萄です。今年はスタッフと極久しい友人のみで収穫を行いました。


そして初収穫。
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ハサミを入れる音が気持ちいい。
全ての作業がこの日の為にあると思うと感無量です。


ここでも笑顔!
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葡萄でいっぱいになった重たい箱
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それでも笑顔!!


箱いっぱいになったシャルドネ。
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収量はまだまだほんの少し。


葡萄を植えて521日目、この地に来て畑の整備を始めたときから数えれば600日程であろうか。
桃栗三年、柿八年。葡萄の場合、実生ではないぶんまだましです。
それでも苗木を植えてからおよそ一年半に渡り大切に育ててきた葡萄です。

荒廃した農地には草や木が生い茂っていました。
岩の様な石を運びだし、鉄製の資材を設置して、数千本の葡萄の苗を植えました。

夏は緑も育ち盛り。休む暇も無く世話に追われます。
冬は寒さで枯れてしまわないように藁を巻いて保温してあげたり。

しかしそんな苦労もハサミを入れた瞬間に吹き飛んでしまいます。
収穫の喜びとはまさにこのこと。

そしてこの収穫された葡萄達の人生(?)はまだ終わりではないのです。
これからが第二の人生なのです。
やがて丁寧に醸されてワインとなって綺麗な瓶の中へ封じ込められます。
そして幾年の時をかけて熟成してゆきます。

今年はほんの数百本しか見込めないでしょう。
それでも、いつの日かその数百本がそれぞれの食卓に彩りを与えてくれるのです。

こんな素晴らしい仕事が出来ることの幸せ。
収穫を機に応援していただいた方々と、この東御の豊かな自然に感謝いたします。

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